漢方では全ての痛みの現象は、
「何かが詰まっている」
「何かが不足している」
のどちらかで説明されます。
下記A~Eの慢性化した頭痛には、ある程度長期的に体質改善していく漢方薬が必要です。
「不通則痛(ふつうそくつう)」
…通じざれば則ち痛む
「滞ると痛みが出る」という意味です。
私たちの体は「気(エネルギー)」「血(血液・栄養)」「津液(リンパ液・潤い)」の3つの成分がたっぷりと巡っている状態が健康と考えます。
何かしらの理由でこの「気・血・津液」の通り道が塞がれた時に、痛みが発生すると考えます。
この場合、比較的激しい痛みが起こります。
改善方法としては、この詰まりを解消していくことになります。
「不栄則痛(ふえいそくつう)」
…栄えざれば則ち痛む
「十分ではないために痛む」という意味です。
これは「気・血・津液」が足りず、通り道があっても流れるものがなくなった状態で起こる痛み。
この場合、我慢できるくらいの弱い痛みが断続的に起こります。痛みが慢性化していて、改善するのに少し時間がかかることが多いです。
改善方法としては、不足しているものを補い、通りを良くしていくことになります。
寒かったり、異常に暑かったり…
そんな時の頭痛には、漢方薬をパッと飲むと早く良くなる場合があります。
漢方では、環境による悪影響を「外邪」と呼び、「風・寒・暑・湿・燥・火(熱)」の六邪があります。
これらが体内に侵入すると、気血の通り道を塞ぎ、「不通則痛(ふつうそくつう)」を招きます。
頭痛に最も関係するのは「風(ふう)」。
風のイメージといえば、よく動き、上へ吹き上げる性質。
症状も変化が激しく、体の上部に現れやすいです。
風 × 寒 = 風寒邪(ふうかんじゃ)
寒い風にさらされた時に発症します。
寒いと体が縮こまるように、寒はぎゅっと凝縮して固まる性質があります。
その結果、気血の巡りが詰まり、痛みが起こります。
風寒邪に侵されるとは、いわゆる風邪(かぜ)をひいた状態です。
□強い頭痛
□首から後肩部にかけて筋肉がこわばる
□関節が痛む
□くしゃみや透明の鼻水
川芎茶調散、麻黄湯、葛根湯など
風 × 熱 = 風熱邪(ふうねつじゃ)
いっきに暖かくなる春先や、暖房の設定温度が高いなど、湿度が低く急に暑くなるような環境で起こる頭痛です。
熱は火の性質。
熱は上に昇り、水分を蒸発させ、炎症を起こします。
上部に熱性の症状が現れるのが特徴です。
□冷やすと楽になる頭痛
□発熱
□喉の痛み
□口渇
□赤ら顔
□目の充血
□咳、黄色い痰
銀翹散、釣藤散、荊芥連翹湯など
風 × 湿 = 風湿邪(ふうしつじゃ)
梅雨~夏にみられる胃腸風邪に相当します。
湿度が高い日本ではお馴染みの外邪。
湿は湿地のイメージで、淀み、粘りやすい性質を持ちます。
湿はなかなか動かないので、痛みは長引くことが多いです。
□頭重感
□頭が締め付けられるような痛み
□手足の重だるさ
□食欲不振
□胸や胃のあたりのつかえ
□尿が出にくい
□軟便
藿香正気散、五苓散、半夏白朮天麻湯など
「頻繁にひどい頭痛が起こるので、痛み止めの薬をいつも持ち歩いている。」
「薬を飲む回数を増やすのも抵抗があるので、根本から改善していきたい。」
など慢性的な頭痛には、痛み止めによる対処療法ではなく根本的な原因の改善がおすすめです。
頭痛の原因は「血のめぐりが悪くなっている・胃腸の働きが弱っている・自律神経のバランスが乱れている」など、本当に様々な要因が考えられます。
漢方は、ただ痛みを抑えるだけではなく、根本から頭痛が起こらない体作りをしていくことができます。
漢方にはストレスに対応するものや、自律神経・ホルモンのバランスを整えるものがたくさん。
またデスクワークが増え、目の疲れやパソコン作業からくる頭痛には筋肉をほぐし、体の巡りを改善する漢方薬がおすすめです。
漢方相談では、まずはなぜ頭痛を繰り返しているのか、体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、お一人お一人に最適な処方を選んでいきます。
そして、そもそも体のバランスが乱れる原因は、心・食事・運動・休養・環境の乱れ。
漢方薬を飲むとともにこれらを見直していくことで、自分の良くなる力をより発揮できるようになり改善への大きな後押しとなります。
繰り返す頭痛でお悩みの方は、ぜひ一度てんじん堂にご相談くださいませ。
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