動悸を感じる状態は、漢方の考え方では病気になる前の「未病」という状態の場合があります。
病院の診断では特に何もなくとも、漢方薬はこのような未病の状態を治すことを得意としています。
漢方的な動悸の要因としては、主に6つあります。
漢方で「心は血脈を主る」といわれ、まさに心臓と同じように全身への血液の運行を主っています。
また心の血は、精神を安定させる働きにも関係しています。
何かしらの病気や、気・血・津液を作る脾胃(胃腸)の虚弱、精神疲労、出血などにより血が消耗すると、「心」自体の機能が低下。不安感や不眠を伴う動悸が現れます。めまいや顔色につやがないなどの症状がみられることも。
また「心」の血不足は「虚火」といって、過剰な熱を生むこともあります。
この場合はイライラやほてり、不眠などを伴います。
帰脾湯、加味帰脾湯、人参養栄湯、炙甘草湯、黄連阿膠湯、清心蓮子飲など
「心」を正常に機能させるためのエネルギー「気」が不足することでも、心血不足と同様に動悸が現れます。心気の不足は、過度の疲労や心疾患、気を全身へ送る「肺」系統の慢性疾患によっても起こりやすいです。息切れや胸苦しさ、白くむくんだ顔、手足の冷えやむくみが見られることもあります。またこの状態が悪化し「陽気(温める力)」が不足すると、陽気を補い合う関係にある「腎」の陽気も不足します。
腎は水分代謝も担っているので、温めたり巡らせる働きを持つ陽気が不足することで余分な水分が停滞し、さらに陽気が弱る原因に。心腎の陽気がともに不足する悪循環に陥ります。
この場合、心不全や腎不全にみられる浮腫を伴う動悸が該当します。
苓桂朮甘湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、真武湯など
「肝」は血を貯蔵しており、「腎」は生命エネルギー(精)を貯蔵しています。
また血と精は互換しあう性質があります。
この肝と腎の血・精(どちらも陰液とも言います)が不足していると、心が巡らせる血も不足するため、動悸が現れます。また陰液は体の潤いであり、過剰な火(熱)を鎮める作用もあるので、陰液不足により心の火がくすぶることで、イライラ感や不眠、手足のほてりなどが見られるようになります。
めまいや耳鳴りが併発することも。更年期などで出やすいです。
六味地黄丸、知柏地黄丸、亀甲、鼈甲など
ストレスや情緒不安定による気の巡りの低下や脾胃の不調により、体の中に余分な水分「痰濁」が溜まることで心の働きが阻害されると、動悸が見られます。
不安感やイライラ、痰が多い、悪心などを伴うことがあります。
柴朴湯、柴胡桂枝乾姜湯、抑肝散加陳皮半夏、半夏厚朴湯、竹茹温胆湯、半夏白朮天麻湯など
(2)の心気不足や、冷え、ストレスなどによる肝気の停滞によって血の巡りが悪くなることでも動悸が見られます。他の要因と絡んで現れることが多いです。
心痛や激しい動悸、顔色が黒い、舌の瘀斑などが特徴的。
通導散、芎帰調血飲、芎帰調血飲第一加減など
ストレスや情緒不安定などにより、気血の巡りを調節している「肝」の働きが乱れることでも動悸が見られます。気の停滞が長期化すると火(熱)が生まれ、その火が心を乱すことで熱症状の一種であるイライラや精神不安の症状がさらにひどく現れます。
脇腹~胃辺りの痛みや膨満感・不快感が伴うことも。
三黄瀉心湯、黄連解毒湯、竜胆瀉肝湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、柴胡桂枝乾姜湯、加味逍遥散、竹茹温胆湯、柴陥湯など
「ドキドキする症状が毎日のように続いていて困っている」
「心臓に異常があるのではないかと思うと不安になってしまう」
「些細なことが原因で動悸が起きてしまうので悩んでいる」
など、急に心臓がドキドキ、バクバクするという症状を感じたことはありませんか?
動悸を感じたことがあるという人は多いと思いますが、頻度が多くて心配という方や原因が分からなくて不安という方もいらっしゃると思います。日々動悸を感じている方の中には、放っておけば収まるので我慢していたり、心配症なので検査をして何かあったら怖いので誰にも相談せずにいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
漢方では検査をしても原因の分からない症状でも、なぜ動悸を感じるようになってしまったのか、体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、お一人お一人に最適な漢方薬で改善を目指します。
そして、そもそも体のバランスが乱れる原因は、心・食事・運動・休養・環境の乱れ。
漢方薬を飲むとともにこれらを見直していくことで、自分の良くなる力をより発揮できるようになり改善への大きな後押しとなります。
動悸でお悩みの方は、ぜひ一度てんじん堂にご相談くださいませ。
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