症状別 漢方の教え
~女性の悩み~

PMS

漢方的な原因

中医学では、体内を肝・心・脾・肺・腎という5つのグループ「五臓」に分けて考えます。
解剖的な内臓としての意味だけでなく、人体の働きや機能を5つに分類したものです。

この五臓は、お互いに助けたり(相生)、抑制したり(相克)しながらバランスを保っており、それが乱れることで体調不良や病気になると考えます。

 

婦人を見たら肝病を疑え

「肝」は五行論では「木」の性質があり、血を蔵し、全身の流れをつかさどっています。

・精神情緒の活動を調節する作用
・気や血を通じさせる作用
・のびのびとしているのが好きだが、一方で塞ぎこみやすい性質がある。

また子宮は、「血海」という経絡の集合場所とつながっています。そこでは字の通り、生理周期によって血が海のように満ち干きします。
中医学では、生理や妊娠などの異常は血海の異常、と考えます。

肝は血を蔵し、その分布にも関わっているので、血海とも非常に深く関係します。

例えば、肝の伸びやかさが失われ、気血が滞れば、血海にも影響が出て、生理などの異常につながることがあります。また生理前の血海は、血で満ちてきてパンパンに張り緊張しがち。そうすると、肝の伸びやかさが失われ、精神情緒へ影響が出たり、全身の気血が滞ることで様々な不調が出てくるのです。

その際、鬱々とした肝から熱が発生することがあります。(肝鬱化火)。
すると、その熱がのぼせとして現れたり、他の臓、経絡へ波及して症状が出ることも。

そして生理が始まり血海が空になると、これらの緊張は解け、症状はなくなっていきます。

この他にも、肝と胃腸の関係により(相克)

・生理周期によって食欲が増減する
・お通じが不安定になる
・乳房痛(胃腸と肝の経絡の不通)

など

肝と心の関係により(相生)

・動悸
・不眠
・判断力低下
・パニック

などの症状が現れることがあります。

高名な中医学の先生の中には、「婦人をみたら肝病を疑え」や「肝は女性の先天だ(女性の本質は肝にある)」と言った方もいるほど、女性の健康にとって「肝」は非常に重要なのです。

代表的な漢方薬

「肝」が原因ではあるものの、肝の不調がどこにどのように起こっているのかによって使う漢方は様々。
大きく実証・中間証・虚証タイプに分けて、代表的な漢方の一部をご紹介します。

この他にも使用できる漢方薬は200種類以上。
専門的に選ばれた自分にぴったり合う漢方薬を飲むことが改善への近道です。

実証

桃核承気湯、通導散、大柴胡湯、黄連解毒湯など

中間証

桂枝茯苓丸、桂枝茯苓丸加薏苡仁、柴苓湯、芍薬甘草湯など

虚証

加味逍遥散、加味逍遥散合四物湯、女神散、柴胡桂枝乾姜湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、帰脾湯、加味帰脾湯、当帰芍薬散、柴芍六君子湯、香砂六君子湯など

『PMS』を根本から改善するには、漢方薬を

「毎月生理が来るのが憂鬱」
「生理前になるとイライラして周りに当たってしまう」
「ひと月の半分以上は体調が悪い」
などでお悩みの方には、根本から身体を整えていく漢方薬がおすすめです。

PMSの症状はひとつとは限らず、同時に複数現れます。
イライラ、のぼせ、下腹部膨満感、下腹部痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛、乳房痛、落ち着きがない、憂鬱の順に多いとも。
特に精神症状が強い場合には、絶望感や自殺願望が現れることもあり、PMDDと診断されます。

多くの女性が経験しているPMS・PMDDですが、男性の認知度はわずか1割程度。
生理痛の認知度が7割を超えるのに対し、認知度が低いのが現状です。そして6割近くの女性が、周囲に理解してもらえずストレスに感じています。

西洋医学では原因がよく分からなくても、漢方は一人一人の症状の裏にある体の状態を探ることで心身の不調の改善が期待できます。

漢方相談では、まずは体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、お一人お一人に最適な処方を選んでいきます。
また、体質改善を進めていく途中では体質も変わっていきますので、その都度自分に合った漢方薬を飲むことが大切です。

そして、そもそも体のバランスが乱れる原因は、心・食事・運動・休養・環境の乱れ。
漢方薬を飲むとともにこれらを見直していくことで、自分の良くなる力をより発揮できるようになり改善への大きな後押しとなります。

ぜひ一度てんじん堂にご相談くださいませ。

漢方相談薬局 てんじん堂

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